唐招提寺 鼓楼・礼堂・東室・宝蔵・経蔵・食堂跡

講堂と軒廊(こんろう)で繋がっていた東室と礼堂の馬道(めどう)。
右側が礼堂で左側が妻室です。
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礼堂は高欄付き。
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軒の出が深く三軒になっていました。
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東室。
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唐招提寺の魅力は奈良時代の相接した堂間の密度が実感できるところです。
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密度を深める場所に位置している鼓楼。
かつては講堂の左右前方に鐘楼と経楼があり、その経楼の後身で13世紀中ごろの再建です。
下層の高欄を取ると普通の経蔵ですが、高欄があることによってとても雰囲気が軽く華やいだものになっています。
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唐招提寺で一番古い建物は右側の経蔵。
唐招提寺の創建よりも古い前歴をお持ちです。
元は切妻で宝蔵より小型です。
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講堂の裏には食堂跡。
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礎石なのか、仮に置いてある石なのか。
柱間の間隔で全部ではありませんがポツンポツンと置かれていました。
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海龍王寺 東金堂跡・金堂・経蔵

海龍王寺は中門と中金堂を回廊で結び、回廊内に西金堂・東金堂を向い合せて配する伽藍配置だったそうです。

西金堂の向かいに柵で囲まれてこんもりした東金堂の跡が残されています。
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これは礎石か?ただの岩か?
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中金堂跡に江戸時代に再建された本堂。
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西金堂と中金堂と石灯篭。
この画像の左側に中門があって西金堂もぐるりと回廊に囲まれていたということになるかな?と考えながら見てみましょう。
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少し外れたところに1237年建立の経蔵。
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普通の和様建築に、木鼻に大仏様建築の意匠が見られます。
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海龍王寺 西金堂

海龍王寺はパンフレットによると、天平3年(731)創立。

西金堂は、奈良時代の創建。
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棟木1本桁を4本出す二重虹梁蟇股で奈良時代の切妻屋根の構造。
内部もこの構造で屋根裏を見せています。
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鎌倉時代の修理で一部蟇股と虹梁をのぞいて部材が取り換えられているので、大仏様の混ざった形式になっているのが残念です。
飛えん垂木に鼻隠板がついています。
頭貫の木鼻には大仏様のくり型をつけています。
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ただ、壁には連子窓が入っていたようで腰貫を支える束が入っていて創建時の姿をほうふつさせています。
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中には奈良時代の五重小塔が。
相輪は失われていて、薬師寺東塔をもとに復元されています。
薬師寺東塔と同じく、三手先斗栱で支輪はまだありません。
この時代の塔らしく、上方への縮減が大きくて五層目はかなり細くなっていますが、実物の塔と違い最上層も3間で斗栱もきちんと配置されてています。
瓦は木製で、屋根の葺き替えも必要ないので古い手法を今に伝えています。



唐招提寺 講堂

講堂は寺の創立後間もなくの8世紀中ごろ平城宮朝集殿を移し構造に改造した説、平城宮にストックされていた古材が使われた説がありますが、平城宮朝集殿説が一般的です。
この平城宮朝集殿は屋根は切妻造りで斗栱は大斗肘木、柱は礎石建ち、規模は9間、連子窓も扉もない非常に開放的な建物でした。
移設にあたり屋根は入母屋造り、外側だけ三斗組に替えられ、さらに鎌倉時代の大改造では入側柱頂を切り、垂木勾配を緩めて野小屋を作り、部材の表面を削って細くし、斗・肘木の形を作り替え、戸口や窓を新しくし、繋虹梁上にあった蟇股を間斗束の下に移されました。
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基壇の高さは元の高さに戻してあるそうです。
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唐招提寺 金堂

唐招提寺は天平宝字3年(759)創建。(他説あり)
伽藍としての規模は小さいながらも、配置は現在もそのままで法隆寺に次いで奈良時代以来の景観を残しています。

現在は失われていますが、塔が遠くに離して建てられていたので、完全に金堂中心の伽藍配置です。
唐招提寺の中心である金堂は建築様式から宝亀説が有力。
当時は唐から建築様式が流入してきた時代なので8世紀盛唐の様式でつくられています。
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正面一間通り吹き放しは奈良時代に多く見られる形式。
当時はここに前庭を囲う回廊が取りついて、内庭を礼拝の場としていました。
回廊は全ての間に連子窓が入っています。金堂の側面・背面ともすべての間が連子窓になっているのは回廊と一体感を出すためです。
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虹梁は上下二本渡されていますが、下の虹梁は後補のものです。
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当初からある上の虹梁は板蟇股を乗せて内部の組入天井の桁を受けています。
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斗栱は薬師寺東塔に次いで二番目に古い三手先斗栱。
薬師寺東塔は広めの小天井だけですが、こちらには小天井とともに支輪が出現しています。
支輪は装飾材です。
丸桁は字のごとく丸材が使われていて天平っぽくてテンションが上がります。
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隅部の斗には初めて鬼斗が用いられています。
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垂木は地円飛角。
地垂木が○で飛えん垂木が□
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内部は撮影禁止です。
二手先斗栱の二手目に大虹梁がのり、大虹梁にのせた板蟇股上の巻斗が支える天井桁に支輪が取りつき組入天井になっています。
このように内部全体が組入天井になっているので、本尊の向背は、支輪に沿って軽く傾いています。






参考文献 その2

何かと便利な用語集。

「入門 日本古建築細部語彙 社寺篇」綜芸社編集部編
初版は昭和45年。私が持っているものは平成22年の第14刷版なので隠れたロングセラー商品です。
古建築用語を50音順で探せる便利な本ですが、名称が思い浮かばないと探せないという欠点も。
それは私の脳みその欠点だという意見もありましょう・・・
しかししかし、中ほどに写真ページがあり部材に番号が細かく振られているので、
名称がわかるようになっています。
欠点もある程度は解消できるというアシスト機能も備わっている優れものな本です。
ちなみに写真のページはけっこうあり、種類も多岐にわたっているので助かります。
小型で簡素な作りなので持ち運びにも非常に便利なのもポイントが高いです。


参考文献 その1

まずは寺院建築初心者向けの本を

「古寺細見 細部意匠と時代判定」近藤豊(大河文庫)
昭和42年初版の古い本です。
私は当然生まれてなかったので(←ここは大事)、古本屋さんで偶然見つけて購入。
ちなみにうらやましがる人はいないと思いますが初版本のようです。
寺社建築の細部について事細かに説明されています。
写真と図がまとめて載せてあるので、本文を読みながら指定された写真や図のページをめくるという
ちょっと面倒な仕様。
でも、これを読めば大体把握できるのでおすすめです。

現在は絶版になっていますが同じ著者の「古建築の細部意匠」という似たタイトルの本があるので
ちょっと高いですが手に入らなければそちらをどうぞ。


組物・斗栱その3

斗栱の役割と斗と肘木の用途を学習したので、次は斗栱の種類について。
斗栱には前に出ない斗栱と前に出る斗栱があります。
斗栱とは書きますが実際は斗や肘木だけではなく尾垂木(おだるぎ)などの構造材や装飾部材が混ざってパッと見ややこしくなっています。

組物・斗栱その2

一般的な斗の種類と用途について。

私が持っている本に詳しいきれいな図が載っているのですが、それをこちらに載せるわけにはいかないので、
私の正確さに欠けるお絵描きでご辛抱ください。

組物・斗栱編その1

眺めていると面白いけど、いざ詳しく知ろうとするとややこしい組物・斗栱の学習編です。
加筆したのでわかりやすくなっている予定です。
間違いがあったらごめんなさい。よかったら誰か指摘してください。
組物、斗栱のほかに斗組という呼ばれ方もします。

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